糸リフトの知見をつけたいドクターにとっては解剖の勉強にもなりますし、視聴者の皆さんは糸リフトを行う際にドクターが「どういったことに気をつけているのか」という豆知識をつけられる解説にもなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
糸リフトで合併症をなくすためには?
まず医師が糸リフトの施術を行う上で一番大事なことは、合併症をなくすこと・減らすことです。
合併症を起こさないためにも気を付けなくてはいけないのが血管です。
施術中、動脈に触れたらものすごく腫れますし、毛細血管に当たるだけでも内出血や腫れの原因になります。
次に神経にも注意が必要です。
神経に当たったらビリビリしますし感覚的な異常が起きることもありますので、この辺りしっかりと避ける必要があります。
糸リフトで合併症をなくすためには?~血管について~
まずこの血管なんですけれども、糸リフトをする上で1番気をつけなくちゃいけないのが、
superficial temporal artery略してSTA(別名:浅側頭動脈(せんそくとうどうみゃく)を避ける必要があります。
解剖学的にSTAがどの辺りを走っているかというと、耳珠から大体18~37mmくらいのところで、ホワ~って枝分かれしています。
この辺りから顔面動脈を走っています。
元を辿ると心臓から首を伝ってその頚動脈からこの顔面動脈が出ているので、ここに触れるとすごい致命傷ですね。
なので、浅側頭動脈・静脈は絶対に避ける必要があります。
糸リフトで合併症をなくすためには?~神経について~
続いて顔面神経についてです。
糸リフトの通り道(糸リフトを挿入するところ)に麻酔をするんですけど術後数時間麻酔が効いてる間は、
・目の開けづらさ・閉じづらさ
・口の違和感
が起こることも稀に起こる場合があります。
ここで気を付けなくちゃいけないのが、麻酔が効いてる分には数時間経てば自然と治るんですけど、手技で神経損傷してしまうと顔面神経障害に繋がりますので、こういった神経は絶対触れないようにしてください。
顔面神経は解剖学的この耳珠から大体0.5cm下から眉毛の辺り1.5cmくらいのところを通っているというのを知っておいてくださいね。
血管や神経を傷つけないために
僕がする糸リフトでは内出血も腫れも少ないのですが、これはなんで腫れないのか?てというと、解剖学的に神経を避けているからなんです。
その避けるために1番大事なのはお顔の皮膚と皮下脂肪をピンチ(つまむ)することです。
普通に糸を通したら動脈とか静脈を傷つけたりとか、神経を傷つけるリスクがあります。
ここが皮膚、皮下脂肪ですね。
これは筋膜(STF)っていうんですけれども、
その筋膜の中に赤い血管、その下に神経があったりします。
何も考えずに糸を通してしまうと血管とか神経を傷つけるリスクがあります。
皮下脂肪をしっかりつまんで持ち上げると筋膜が下がり、脂肪の深いところに糸リフトを入れることができます。
最後に
ということで、今回は糸リフト(スレッドリフト)に必須の解剖学的知識について解説をさせていただきました。
視聴者の皆さんもこういったことを考えながら、ドクターは糸リフトを行っているんだよという参考になれば 幸いです。少しでもタメになったと感じられましたら、ぜひグッドボタンとチャンネル登録の方もよろしくお願いします。
本日もご清聴どうもありがとうございました。次の動画でまたお会いしましょう。バイバイ。
こんにちは!
Dr.もりもりです。
今回は糸リフト(スレッドリフト)について解説していきます。