医師が考える「糸リフト」の重要なポイント
患者様に「どういう感じで上げたいですか?」ってお聞きすると、大半の方は手で頬を引き上げるジェスチャーをされます。
医師からすると、「どこから入れて」「どこを持ち上げて」「どういうところに固定点を持っていくか」ということが、とても大事です。
そこで、医師の観点から糸の入れ方について、今回は解説します。
【部位別】糸の入れ方①:フェイスライン
まずは、フェイスラインです。
フェイスラインのリフトアップにおいては、顎から頬にかけてのラインを上方向に引き上げます。
この際、浅側頭筋膜にしっかりと固定して、柔らかい組織を引き上げることが大事です。
例えば、首周りの引き上げだと、固定点が比較的柔らかい箇所から糸を挿入することもあります。
しかし、施術直後は引き上がりの効果が得られたとしても、固定点も柔らかいため、組織と一緒に引っ張られてしまいます。
その結果、リフトアップ効果が持続せず、元に戻りやすい場合があります。
したがって、フェイスラインをしっかり上げる時は、浅側頭筋膜に固定する必要があります。
糸の挿入位置としては、こめかみの結構上の方から入れる先生もいれば、眉毛の外側や、髪の毛の生え際との交点あたりから入れる先生もいます。このあたりは傷口も目立たないので、ここから糸を固定をして、キュッと持ち上げていきます。
フェイスラインを改善する糸リフトは、基本的に縦の方向のベクトルです。
【部位別】糸の入れ方②:ほうれい線
ほうれい線を改善するために糸リフトを入れたいと希望される方もいます。
アジア人の場合、頬骨が横に突出している方が多いです。
フェイスラインと同じ高いところからのベクトル(縦方向)で糸を入れようとすると、頬骨を挟んでしまい、糸を入れにくい場合があります。
そのため、頬骨を回避して、横方向に糸を挿入するという報告もあります。
他には、もう少し上の目尻の外側から頬骨の上を少し通過させて持ち上げる方法もあります。
【部位別】糸の入れ方③:マリオネットライン
最後は、マリオネットラインを改善したい場合です。
マリオネットラインの改善には、目尻の外側あたりから上げることで効果が見込めます。
また、一般的な手法としては、耳裏から糸を挿入する方法があります。
耳裏から糸を挿入し、フェイスラインの縦のベクトルとは直交する程度の横方向のベクトルで引き上げることで、マリオネットラインのもたつきを効果的に引き上げ、改善が期待できます。
ほうれい線・マリオネットラインにはヒアルロン酸注射の併用もおすすめ
ほうれい線やマリオネットラインの改善においては、糸リフトだけでは十分な効果が得られないケースも多いため、ヒアルロン酸注射を併用することをおすすめします。
ヒアルロン酸を注入することで、凹んだ部分(谷)にボリュームを持たせて組織を内側から持ち上げ、谷を埋めるようなかたちで改善を図ります。
ヒアルロン酸注入を併用することで、ほうれい線やマリオネットラインの改善が期待できます。
アジア人に「ほうれい線」が多い理由
アジア人にほうれい線が多く見られる原因は、西洋人と比較してうわあごが前方に突出しているからです。
その結果、小鼻の横が凹んでいます。
アジア人の場合は、「貴族ヒアルロン酸」と呼ばれる治療が有効であり、小鼻の横の溝にヒアルロン酸を注入して(組織を)持ち上げることで、若々しさを出せる方が多いです!
気になる方は、ぜひカウンセリングにお越しください!
まとめ
今回は糸リフトの入れ方や、ほうれい線・マリオネットライン・フェイスラインを改善する方法について、医学的な観点から解説しました。

こんにちは、ドクターもりもりです!
今回は、「糸リフトをどういう方向に入れるのが良いのか」について解説します。